「お腹に良い商品がやりたい!」→バナナジュースだったワケ

 自分の病気の経験から、人々の腸を良くするというかたちでなにか社会貢献ができないか、常々考えていました。酒蔵は日本酒を造りますが、日本酒は発酵食品であり発酵の技術を通してなにかできるはずだと思っていました。腸活に関する本や雑誌、メディアでも多数取り上げられ、腸活という言葉が一般的になるくらい人々は何かしら腸に悩みを抱えているのではないか?と考えていました。自分は病気として認定されてしまいましたが、そこまでいかなくても、例えば慢性的な便秘や下痢などに悩まされ、快適な生活を阻害している人は少なくないんじゃないかなと思っていました。そういった方々に何かしら商品をつくりたかった。。。

 最初は、腸に良いお酒、というものを考えました。元々ヨーグルトリキュール(日本酒をベースとしてヨーグルトを混ぜたお酒)を製造し販売はしていましたが、腸に良いということにフォーカスはしておらず、ただ単にヨーグルト味のアルコール飲料、というだけの商品でした。それを、腸に良い成分を混ぜて腸活のためのお酒として販売したらどうかと考えました。世の中に出回っているお酒は、どうしても炭酸で冷たくてお腹に良いとは言えないものがコンビニやスーパーなどでも主流ですし。

 お腹に悩みを抱えている人が安心して飲めるとはなかなか言い難い。そこでお腹に優しく、お腹に悩みを抱えている人が安心して飲めるお酒を開発しようと思い立ちました。しかし、それを製造することは可能だが、世の中に受け入れてもらえるかどうかは別です。お酒は嗜好品であり、楽しむためのもの。お酒というと炭酸が効いて爽快感のあるビールやチューハイのイメージが強い中で、果たしてアルコール飲料として需要はあるのか、、、疑問が湧いてきました。

 最近はカロリーゼロのコーラやカロリーオフ、プリン体カットの発泡酒などは一般的ですが、それは「身体に悪い何かが入っていない」ものであって、「飲むと身体に良い」ものではない。そういった商品はすでに一般的になっているので、それらが売れるイメージはある。だが、飲むと体に良いお酒は思いつく商品がなく、一般的になっていないような気がしたので、そもそも文化がない中でそれをどう販売したら良いかがかなり問題でありました。

 そこまで考えていた矢先、腸活に関して知見を深めるために読んでいた本にバナナが腸活に良い、と書かれており、本一冊まるごと、バナナがどれほど腸に良いか、を語っている本に出会いました。腸活のためにバナナを材料として使うのであれば、もういっそのことバナナジュースにしてはどうかと考えました。それまで、酒蔵=アルコール飲料をつくる会社、ということで、アルコール飲料を通して人々の腸活に寄与したいと考えていましたが、アルコールが入っていない飲料の方が、より腸活に貢献できるのではないかとふと思いました。その時から、なにか肩の荷が降りたようにノンアルコール飲料を製造販売することにワクワクが湧いてきました。

 そこからは、バナナジュースをまともに飲んだことがなかったためひとまずバナナジュース屋さんに行って色々なバナナジュースを試し飲みしてみることにしました。調べると以外とバナナジュース屋さんは少なく、千葉にもありましたが都内が一番多く色々と試すことができそうであったため、都内で1番口コミの多いバナナジュース屋さんに行って飲んでみました。

 第一印象は、、、、甘い……!!!

 そしてバナナが濃厚で飲み終わった後の満足感がすごい!あっという間に飲み終わりました。また、他のお店のものも試そうと何軒かまわり、色々なバナナジュースを試しました。砂糖が入っていないのにこの甘さが出るのはバナナジュースならではだと思います。

 そして、次の日のお腹の調子が明らかに良い……!!!

 バナナジュースは牛乳をベースにつくるのが一般的ですが、その一部に麹の甘酒を使用したら、より腸活に良くなるのではと思いつきました。また、腸活の王様であるヨーグルトも入れ、食物繊維と乳酸菌が一度に摂れるようにしようと考えました。

 そこからは試行錯誤の日々でした。バナナの美味しさを最大限引き出すにはどうしたら良いか、甘酒の配合量、また、販売のための容器も試作を繰り返しました。さらに、販売方法をどうするか、また、製造するには新しく営業許可を取らなければならなかったため、保健所にも何回も足を運びました。(続く)






健康はお腹から。